元女子高専生のつぶやき

高専→理系大学→欧州大学院の女子のつぶやきです

ヨーロッパ大学院出願と合格

電通大を2023年3月に卒業したmomoです。

ヨーロッパの大学院に出願していて、合格し、2023年9月から勉強しています。

渡航前に出したかったのですがビザとかでバタバタしてて、進学後は勉強で死んでたのでこのタイミングになりました。(大学卒業後1年経ってる笑)

この記事は、大学院留学支援コミュニティXPLANEの連載企画海外大学院受験記に寄稿した内容を加筆修正したものです。(全然足してない)

 

xplane.jp

 

XPLANEのコミュニティではスラックを使っていて、いろんな人と交流が出来ます。

実際に海外で学んでいる人に、進路相談などができ、私もとてもお世話になりました。

今後もこのコミュニティにいるので、そちらで質問していただいても構いません。

 

 

  • 自己紹介

 

高専の電気電子工学科を卒業し、電気通信大学に3年次編入しました。編入したのが2020年度でコロナが始まった年であり、例年なら出来たであろうことが出来なく失われた機会もありますが、それでも自分がやりたいことに向かって、もがけば道が開かれるということが伝われば幸いです。

大学での専攻は電子工学なので、学部まで大雑把に言うと電気系でした。修士からはヨーロッパのErasmus+プログラムの一つである、Fusion-EPプログラムで核融合を学びます。XplaneのポッドキャストEp43でも話しているので聞いてみてください。

 

Erasmus+プログラムとは、ヨーロッパ独自のシステムで、修士の間に何校か国を跨いで学びます。私の場合は、1年ごとに国を変え、M1がフランスです。

外国人向けにも独自の奨学金があり、私もEUからの奨学金で、学費免除で月々ユーロを貰っています。

erasmus-plus.ec.europa.eu

 

  • 大学院留学を志した理由、どのタイミングで海外に行くのか

 

いつか海外で学びたい、働きたいと小さいときから思っていました。高専から大学に進学する際に、高専から直接海外大学に進学も出来ますが(そうゆう人も実際にいます)、語学レベルや資金の難しさもあり日本の大学に進学を決めました。しかしこれは人によって異なるので、海外に行きたい人はいつ行くのがベストか考えてみてください。

B3の編入直後に核融合を知り、自分がやりたいのはこれだ!!となって初めて修士以降のイメージが湧きました。自分が学校の先生方から言われたのが、海外で働きたいならPh.Dが必要ということですが、そもそも人生をかけてやりたいことがわかっていない高校生にそんなこと言っても、博士進学を想像できないと思います。漠然と海外進学を考えていた高校生の時から数年経って初めて、これに人生をかけたいと思えることが見つかり、修士、博士という進路を想像出来るようになりました。

 

理系でヨーロッパを選んだ理由ですが、ITERという世界最大の核融合研究所がフランスにあるからです。B3で核融合を知り、ITERで働きたいと強く感じた自分にとって、いかにしてそこに入るかを考えました。フランスにあるので、早いうちからヨーロッパに拠点を持つ、進学してしまうのが早いと考えた次第です。修士、博士とヨーロッパで学び、ポスドクなどでITERに行けたらいいなと考えています。将来はマルチリンガルな専門家を目指しています。

日本人で海外留学というと、英語を主に学んでいる人だと英語圏のみを考えてしまいがちだと思うのですが、ヨーロッパにも英語で学べるコースが数多くあります。英語圏よりも語学の要求レベルやGPAの厳しさが優しいこともあるので、アメリカ行くのきつそうと感じる人はヨーロッパも見てみてください。私自身もアメリカの院に行けるほどGPAも研究内容も語学力もありませんでした。

 

  • 大学の学部で海外大学院進学のためにやったこと

 

核融合を知ってからそもそも自分はこの分野に向いているのか確かめました。というのもこの分野はまだ研究開発の段階なので、関われる仕事としては研究者がメインです。なのでこの分野の研究が好きか知るために、核融合研究所の短期インターンシップに参加しました。ここでお世話になった教授に後々推薦書を書いていただいたので、分野の顔見知りを作ること、言い換えればコネクション作りは、海外院進学において非常に大事です。

 

次に行ったことも無い、これまで興味を持つきっかけも無かったヨーロッパに何年も住めるのかという不安がありました。なのでVulcanus in Europeという1年インターンシッププログラムに、B3とB4の間で参加しました。

pokemomo27.hatenablog.com

 

半年間マドリードに滞在している間に、ヨーロッパの研究所の見学をしたり、念願のITERに行きました。これらの訪問で、自分が進学する修士プログラムを知ることができ、そのプログラムの先生とのコネクションを得ることが出来ました。この訪問も、日本でお世話になっている核融合の先生方に、マドリードの研究者を紹介していただきました。自分の知る範囲ですが、どの大学、研究所の先生方も学生が海外で学ぶことを応援してくれます。研究室見学で一度お話しただけの先生が、他大の先生を紹介してくれて、そこからマドリードで研究室見学を行うきっかけになったりもしました。総じてですが、自分は頼れる人になりふり構わず頼っていました。半年間マドリードに住んで、フランスにも遊びに行ったことで、ヨーロッパでも南欧はもう自信を持って住めるなと感じています。このプログラムのお陰で、スペイン語A2レベルまで取れたので、ヨーロッパでの言語不安も少し減りました。

 

B4での研究室選びですが、入る前の見学時に教授に海外院の進学を考えていると伝えてから入りました。あまり居ないと聞きますが、院から外部に行くことを好まない教員もいるらしいので、すれ違いを起こさないためにも、何事も早めに伝えておくと吉です。自分の研究室は良くも悪くも放任タイプだったので、個人的に大学院出願に時間を割くことが出来たので良い環境だったと思います。また学部と修士で専攻を変えることもあり、出願時に研究実績などをあまり見られないとも感じていました。とくに核融合は学部で専攻できる分野ではないというのが大きいと思います。専攻や学校によって実績の有無や重要度が変わると思うので、調べてみてください。

 

  • 海外大学院出願のために準備したこと

 

B4に復学直後、つまりマドリードから帰国してから始めに英語の試験を受けました。初めて受けたIELTSで6.5だったので余裕をかましてしまったのが悪い癖だなあと思っています。出願先の足切りがIELTS7.0だったのですぐ行けるんじゃないかと思ってましたが、まあそんな簡単には行かないので、真面目に勉強しましょう。ちなみに英語は独学で限界を感じ(自力でTOEIC900超えれないと感じました)、語学学校に週1で3年間ほど(B3~大学卒業まで、マドリードの間もオンラインレッスンで)通っていました。そのおかげで英語レベルが上がったので、英語に伸び悩んでいる人は学校などのレッスンを検討するのも良いかもしれません。英語の試験でTOEFLもあると思いますが、自分はあのシステムがとっても嫌だったのでIELTSにしました。IELTSもパソコンで受験でき、面接のみ対面で人と話せるので好きでした。またヨーロッパの人たちは基本的にイギリス英語を話しているというのもあります。結局9月頃にスコアを取りましたが結構遅いと思うので、早めに取ってください。

 

英語のスコアが取れた直後からスペイン語の試験対策を始めました。というのも出願先の教授からヨーロッパの言語の証明もあると良いと言われたからです。そのためスペイン語の語学学校に通ってDELEA2を11月に受けました(結果は2月、合格していたので出願に添えました)。これはヨーロッパに興味があるというアピールになるからです。英語圏以外の場合、現地の言語が出来るに越したことはありませんが、必須ではありません(授業が英語の場合)。可能な人だけが検討すれば良いと思います。

 

自分はGPAや英語のスコアが低いので国内の奨学金にそもそも出せないことが多かったです。それでもなんとかなると思った理由は、進学先が外国人向けの奨学金を持っていたからです。そのような情報も出願先の運営から聞けるので、出願先にコネクションを作るのを非常にオススメします。奨学金を貰えなかったら、ヨーロッパで他の奨学金を探したり(マリーキュリー奨学金など)、最終手段はお金を借りようと思っていました。

 

ちなみに大学院の出願でヨーロッパ以外で学んだ学生はGREのphysicsのスコアもあるといいとあったのですが、日本国内の受験の席の空きが無くて諦めました。どうやら席が埋まるのが早いようです。これも出願先に連絡して相談したら、まあ無くてもいいよと言われたので大丈夫でした。

 

  • 出願書類作成に関して

 

語学の試験が終わってからようやくmotivation letterを書き始めました。これが可能だったのも出願先の出願期間が11~2月と、締め切りが遅かったからです。そして早めに出しても遅く出しても評価が変わらないという理由があります。例えばイギリスなどでは早く出願するとポイントが上がるという話も聞くので、大学院ごとに異なります。なので自分は12~2月で書類を作成しましたが、卒研と被るのでまあまあだるかったです。計画的に出来る人は計画立ててやるといいと思いますが、自分は出来ないタイプなのでシンプルに頑張りました、、

 

書類作成ですが、motivation letter, CV, recommendation letterを色んな人に添削していただきました。推薦書は関係性にもよると思いますが、下書きをこちらが書いた方が良い先生や、ゼロから書いていただける先生もいます。実際にお願いをする何か月か前からお願いしたい旨を伝えておくとスムーズに行くと思います。添削は大学の英語の先生や、留学支援の先生、英語の語学学校の先生などに行ってもらいました。ここでもですが、頼れる人はとにかく頼ってください。私にもツイッター(@pokemomo5) などで連絡頂ければアドバイス等など出来ると思います。

 

  • 進学先選びについて

 

自分はヨーロッパで英語で学べるという条件の大学院を探していたので、進学先のプログラムしかそもそもありませんでした。なのでそこの1校しか出願していません。日本にも大学院は多くありますが、ヨーロッパに移住したかったので日本は受けませんでした。落ちたらインターンの経験をいかしてマドリードで働こうと思っていました。

 

アメリカなどは大学院がPh.Dの5年一貫制が多かったり、要求スコアが高かったり、そもそも出願者が猛者ばかりのイメージだったので、自分のGPAじゃ無理だなと思っていました(3.0/4.0も無いです)。一方ヨーロッパは非英語圏なのでそんな競争が激しくなく、修士と博士で分かれているところが多く、専門を変える点でも良いと感じています。

 

自分はGPAを強みとして使えないので、分野を変えるという条件も功を奏し、インターンシップの経験などで売り込みました。国や大学院、専攻によって、何を重要視しているかは全く異なるので、自分の手持ち札はどこなら評価してくれるのか、という視点で出願すると合格しやすいのではないのかなと思います。また海外大学院は基本的に知らない人を入れにくいイメージがあるので、現地見学(留学や学会のついでに行くなど)なり、先生の紹介なり、国際学会で話すなりして、相手側に出願前から知ってもらいコンタクトを取ることが重要だと思います。うまくいけば相手側がいろいろアドバイスくれると思います。

 

  • これから海外大学院へ出願する人へのメッセージ・アドバイス

 

海外に行きたい人はそこで何かやりたい人だと思うので、やりたいことに向かってがむしゃらにもがくことが大事だと思います。自分が動かないとチャンスはやってきません。頼れる人を頼りまくって、XPLANEなども使い、自分にチャンスを引き寄せてください。動けば道は開かれると信じています。海外に進学した人たちは、自分のみならず聞けば教えてくれると思うので、とりあえず動いてみてください。ここに書けないことなどもあるので、もっと詳細聞きたいぞって人はxplaneのスラックなり、ツイッターなりで連絡ください。